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Google Cloud の Professional Agentic Architect は何を証明する資格なのか — 11月の一般提供までに準備する4週間の全体設計

ゲンキ

Google Cloud の Professional Agentic Architect は、AI エージェントを設計し、コードで作り、評価し、安全に運用する力を問う認定だ。2026年10月時点では、ベータの申込が締め切られ、一般受験(GA)の申込が11月2日に始まる段階にある。受験の開始は「11月中旬」と告知されているが、日付はまだ公表されていない。これから準備を始める人が最初に知りたいのは、この資格が何を証明するのか、申し込んでから認定されるまでに何が要るのか、そして何から手をつければよいのか、の三つだろう。

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本記事は、その三つに Google の公式資料だけで答える。根拠は認定ページ、この認定の FAQ、試験ガイドの PDF、認定全般の申込・再受験・規約のページなどで、取得日はすべて2026年10月12日だ。当サイトはベータを受けておらず、一般受験もまだ始まっていない。したがって書けるのは公表された制度と出題範囲までで、試験に何が出たか、どれほど難しいかは書かない。

後半では、記事の公開日(10月19日)から一般受験の開始見込み(11月中旬)までを4週間に区切り、AI を使った準備の方法を割り当てる。この4週間は日程から当サイトが引いた区切りで、Google が示す学習期間ではない。

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Professional Agentic Architect が証明するもの — 試験ガイド冒頭の人物像

Professional Agentic Architect が証明するもの — 試験ガイド冒頭の人物像

試験ガイドは、冒頭で合格者の人物像を3つの文で示している。認定ページにも同じ文が載っており、日本語版の認定ページは1文目を次のように訳している。

Google Cloud Certified Professional Agentic Architect は、Google Cloud で AI を活用した自律型エージェント ワークフローを設計、管理する技術実務者です。

2文目と3文目は、英語の原文で引く。

This individual is an experienced developer or architect who builds agentic solutions while considering reliability, performance, cost, security, and scalability.

This individual has deep experience utilizing large language models (LLMs), applying agent design patterns, writing code, and integrating data sources in Google Cloud.

2文目が挙げるのは、信頼性・性能・費用・セキュリティ・拡張性の五つだ。エージェントを動かせるだけでなく、運用に耐える形で作れることが前提になっている。3文目は、LLM を使うこと、エージェントの設計パターンを当てはめること、コードを書くこと、Google Cloud のデータソースをつなぐことを並べる。想定されているのはプロンプトを工夫する利用者ではなく、エージェントを部品から組み上げる開発者やアーキテクトである。

認定ページは、評価する能力を五つに分けて示す。日本語版の訳では「ローコード ツールを使用してエージェントを構築する」「アプリケーション開発でコーディング エージェントを使用する」「カスタム エージェントを開発する」「エージェント ワークフローを評価、デプロイする」「エージェント ワークフローを保護し、統括する」となる。この五つが、後で見る試験ガイドの5領域にそのまま対応している。

FAQ は対象者を「Technical practitioners (developers, cloud architects, and engineers)」と書き、Professional レベルの認定だと明記する。さらに、この試験を「Google’s newest professional-level certification exam」と呼んでいる。Google Cloud の Professional 認定の中で、最も新しい認定ということだ。

人物像の2文目が挙げる信頼性・性能・費用・セキュリティ・拡張性を、Google Cloud の構成の選び方として通して読みたい人には、AI を組み込んだ設計を扱う次の一冊がある。

2部構成 — 選択式に合格した後、実技ラボを終えて初めて認定される

2部構成 — 選択式に合格した後、実技ラボを終えて初めて認定される

この認定の最も大きな特徴は、試験が二つの部分に分かれていることだ。FAQ は「This certification consists of two parts: a proctored multiple-choice exam and hands-on labs.」と書く。第1部は監督つきの選択式の試験、第2部は手を動かす実技ラボである。

第1部について、認定ページは「conceptual knowledge, system design choices, and architectural standards」を評価すると書く。概念の知識、システム設計の選択、アーキテクチャの標準の三つで、試験の配信は Pearson が担う。

一方の第2部は、選択式に合格した人が CM Connect で案内を受け、Google Skills(旧 Google Cloud Skills Boost)でこの試験のためのラボに取り組む。認定ページはラボの目的を「execution and coding ability」、つまり実行する力とコードを書く力を確かめることだと説明している。FAQ によれば、ラボは稼働中のクラウド環境(active cloud environment)で行う。

肝心なのは、選択式の合格だけでは認定されない点だ。FAQ は「Passing the multiple-choice exam alone does not grant certified status.」と明記し、両方に合格して初めて認定されるとしている。選択式で設計の判断を問い、ラボで実際に手が動くことを確かめる。この組み合わせが、人物像の「設計する」と「コードを書く」の両方に対応している。

もう一つ混同しやすいのが、学習用のラボとの違いだ。Google Skills にはこの認定の名前を冠した学習パス「Professional Agentic Architect Certification」がある。しかし FAQ によれば、試験のラボは学習パスのラボとは別もので、選択式の合格者だけが受けられる。学習パスそのものも「not mandatory」、つまり任意の準備の資料という位置づけだ。

一般受験では、合格すると CM Connect で通知され、そこから2か月以内にラボを終える必要がある。ラボの所要時間は、ベータの参加者向けの FAQ では5時間未満の見込みとされているが、一般受験の所要時間としては書かれていない。また、ラボに Google Cloud のアカウントや課金の設定、追加の費用が要るかどうかも、2026年10月時点の公式資料には記載が無い。準備の計画で言えるのは、選択式の後にラボのための時間を別に確保しておく、というところまでだ。

一般受験の形式・料金・有効期間(2026年10月時点)

一般受験の形式・料金・有効期間(2026年10月時点)

一般受験とベータでは、時間も料金も違う。混同を避けるため、FAQ と認定ページの値を列を分けて並べる。

項目一般受験(申込は11月2日から)ベータ(締切済み)
構成選択式と実技ラボ(両方の合格で認定)同じ
選択式の時間2時間3時間
問題数公表されていない約80問
料金$200(米ドル)$120
言語公表されていない英語のみ
結果7〜10営業日で CM Connect に届く選択式は10月下旬に CM Connect で通知
ラボの期限合格の通知から2か月利用可能になってから2か月(2026年12月31日まで)
ラボの所要公表されていないFAQ では5時間未満の見込み
有効期間1年同じ

一般受験の選択式は2時間で、正式な結果は7〜10営業日で届く。FAQ は、一般受験もベータと同じ2部構成のまま実施すると書いている。問題数は2026年10月時点で公表されていない。他の Professional 認定、たとえば Professional Cloud Architect の認定ページは「50-60 multiple choice and multiple select questions」と書くが、これを Agentic Architect の一般受験に当てはめる根拠は無い。

料金は $200 で、FAQ は「matching standard Google Cloud professional-level exam pricing」、つまり他の Professional の試験と同じ価格だと書く。税の扱いは、FAQ の一般受験の料金の文には書かれていない。ベータの $120 と、Professional Cloud Architect の $200 には「plus tax where applicable」(税は該当する場合に別途)と付いている。英語の認定ページも日本語の認定ページも米ドルの価格だけを示しており、円の公式定価は無い。

再受験について、Agentic Architect の FAQ と認定ページには個別の規定が無く、Professional の規定から外すという記載も無い。Google Cloud の Associate・Professional 認定の規定では、2年間に最大4回まで受けられ、不合格の後の待機は1回目の後が14日、2回目の後が60日、3回目の後が365日で、受験のたびに料金がかかる。

有効期間は1年で、他の Professional 認定の2年より短い。FAQ はその理由を、ソフトウェアの変化とアルゴリズムの進歩が速いためだと説明する。規約の §1(c) は、Professional 認定の有効期間を発行から2年とし、試験の説明に別の定めがあればそちらに従うと書いている。Agentic Architect の1年は、この別の定めに当たる。

FAQ は、有効な状態を保つための継続学習の道(continuous education path)を用意するとも書いている。ただし、その中身・期間・費用は2026年10月時点で公表されていない。更新の案内ページで継続学習による更新の対象になっているのは Cloud Digital Leader、Associate Cloud Engineer、Professional Cloud Architect、Professional Data Engineer の四つで、Agentic Architect はまだ載っていない。他の認定の更新の仕組みを、そのまま Agentic Architect に当てはめて考えないほうがよい。

推奨経験と前提条件 — 「3年以上」は受験の条件ではない

推奨経験と前提条件 — 「3年以上」は受験の条件ではない

認定ページは推奨経験として「3+ years of hands-on experience building, testing, deploying, and managing cloud solutions including 1+ years building agentic solutions using Google Cloud」を挙げる。クラウドの仕組みを作り、テストし、デプロイし、管理する実務が3年以上、そのうち Google Cloud でエージェントを作った経験が1年以上、という意味だ。

ただし、これは推奨であって受験の条件ではない。同じページの前提条件の欄は「None」で、認定全般の FAQ も、Google Cloud の認定試験に前提条件は無いと書く。受験できるのは18歳以上で、これは認定全般の FAQ と規約の両方に書かれている。

推奨経験の年数は、準備の深さを測る目安として読むのがよい。経験が3年に届かない人も受験はできる。しかし試験が想定しているのは、人物像にある「信頼性・性能・費用・セキュリティ・拡張性を考えながら作る」判断だ。実務でそうした判断をした経験が少ないほど、その不足を手を動かす練習で補う必要がある。後半の方法のうち「手元で書く」と「手元で評価する」に時間を多めに割くのは、そのためである。

言語 — ベータは英語のみ、一般受験は未公表

言語 — ベータは英語のみ、一般受験は未公表

日本の受験者にとって大きいのが言語だ。FAQ は「The beta exam will be available in English only.」と書き、ベータは英語だけで実施された。これに対し、一般受験の言語は FAQ の一般受験の節に記載が無く、2026年10月時点では公表されていない。申込の手順のページは、言語は試験ごとに認定ページで示すとしているので、11月2日の申込開始の後に認定ページを確かめるのが確実だ。

比較として、他の Professional 認定の状況を見ておく。Professional Cloud Architect と Professional Machine Learning Engineer の認定ページは、どちらも言語を「English, Japanese」としている。Agentic Architect の一般受験が同じになるかどうかは、現時点では分からない。

もう一つ知っておきたいのは、英語が第二言語であっても試験時間は延長されないことだ。言語の案内のページに「time extensions are not applicable when English is an individual’s second language」とある。また、試験ガイドの PDF は英語版だけで、日本語の認定ページも英語版の PDF にリンクしている。一般受験が日本語で実施されるかどうかにかかわらず、出題範囲を確かめる一次資料は英語で読むことになる。

試験ガイドも公式資料も英語で読むことになるので、技術文書によく出る動詞から慣れておくと読む速さが変わる。ITエンジニア向けの英語の動詞を扱う一冊を挙げておく。

出題範囲の5領域と比率 — 3割強がカスタムエージェント

出題範囲の5領域と比率 — 3割強がカスタムエージェント

試験ガイドは出題範囲を5つの領域に分け、それぞれに比率を付けている。比率はすべて「~」(約)つきだ。右から2列目は、認定ページの日本語版が「評価する能力」として載せている訳である。

領域英語の名前(試験ガイド)認定ページの日本語版の訳比率
1Building agents using low-code toolsローコード ツールを使用してエージェントを構築する約13%
2Using coding agents for application developmentアプリケーション開発でコーディング エージェントを使用する約17%
3Developing custom agentsカスタム エージェントを開発する約33%
4Evaluating and deploying agentic workflowsエージェント ワークフローを評価、デプロイする約22%
5Securing and governing agentic workflowsエージェント ワークフローを保護し、統括する約15%

最大は第3領域の約33%で、第3・4領域を合わせると約55%になる。コードでエージェントを作り、評価してデプロイする部分が、出題の半分強を占める計算だ。逆に、ローコードの第1領域は約13%で最も小さい。

各領域の小項目は、試験ガイドでは次の見出しになっている。括弧の中は、当サイトが日本語で言い直したもので、公式の訳ではない。

  • 1.1 Configuring agentic workflows and behavior using low-code tools / 1.2 Connecting enterprise data to Gemini Enterprise(ローコードの道具でエージェントの流れと振る舞いを設定する/企業のデータを Gemini Enterprise につなぐ)
  • 2.1 Using coding agents effectively / 2.2 Customizing coding agents for enterprise workflows(コーディングエージェントを効果的に使う/企業の仕事の流れに合わせてカスタマイズする)
  • 3.1 Designing and building agentic workflows in code / 3.2 Integrating enterprise domain knowledge / 3.3 Orchestrating and coordinating agentic workflows(コードでエージェントの流れを設計して作る/企業の業務知識を組み込む/複数のエージェントの流れを調整する)
  • 4.1 Evaluating agents in development and in production / 4.2 Deploying and scaling production workloads(開発中と本番の両方でエージェントを評価する/本番の負荷に合わせてデプロイし拡張する)
  • 5.1 Configuring agent security and governance / 5.2 Implementing secure agent behavior and execution(エージェントのセキュリティとガバナンスを設定する/安全な振る舞いと実行を実装する)

見出しを並べると、エージェントを作る項目と並んで、設定する・つなぐ・調整する・評価する・デプロイする・保護するといった項目が多いことが分かる。人物像の2文目が、動かせるだけでなく運用に耐える形で作ることを求めていたのと、同じ方向である。

対象ツールの28項目

試験ガイドの4ページ目には「The following tools are in scope for this exam:」として、対象ツールが28項目並ぶ。1項目に複数の製品を含む行があるので、製品の数ではなく項目の数として数える。表記と順番は PDF の箇条書きのとおりで、改称の注記だけを日本語にした。

#項目#項目
1Agent Development Kit (ADK)15Cloud SQL
2Agent evaluation16Cloud Storage
3Agent Gateway17Firestore
4Agent Identity18Gemini Enterprise
5Agent Registry19Gemini LLMs
6Agent Retrieval and Vector Search 1.020Google Cloud Observability (Cloud Logging and Cloud Trace)
7Agent Runtime(旧 Agent Engine)21Google Kubernetes Engine (GKE)
8Agent Search(旧 Vertex AI Search)22Memorystore for Redis
9Agentic protocols (e.g., Agent2Agent [A2A], MCP)23Model Armor
10Agents CLI in Agent Platform24Model Context Protocol (MCP) servers
11Antigravity (CLI, SDK, App)25Model Garden
12Auth Manager (OAuth 2.0)26RAG Engine
13BigQuery27Sensitive Data Protection
14Cloud Run28Skill Registry

このうち、試験ガイド自身が改称を明記しているのは2つだ。Agent Runtime は旧 Agent Engine、Agent Search は旧 Vertex AI Search である。各項目が何を指し、いまどの提供状態にあるかは、ここでは扱わない。項目の名前を覚えるより先に、公式ドキュメントで一つずつ確かめる作業が要る、ということだけを押さえておきたい。

試験ガイドに出てくる Claude Code

第2領域の2.1には、コーディングエージェントの例として「(e.g., Antigravity and Claude Code on Google Cloud)」と書かれている。Google の試験ガイドに Claude Code の名前が出ることは目を引くが、これは例示(e.g.)の一つで、上の28項目に Claude Code は入っていない。試験ガイドが比率を示すのは第2領域全体(約17%)までで、Claude Code についての出題の有無や比重は公表されていない。「Claude Code on Google Cloud」が具体的に何を指すかも、試験ガイドには説明が無い。

同じように、第1領域の1.1にはローコードの道具の例として Gemini Enterprise Agent Designer(2026年9月の公式の告知からは Workflow Builder の名前で案内されている)と Customer Experience Agent Studio(CX Agent Studio)が挙がっている。この2つも28項目には入っていない。例示に出る製品と対象ツールの一覧は別のものとして、両方を読んでおく必要がある。

28項目の多くは、Google Cloud の既存のサービスの上に載っている。BigQuery や Cloud Run のようなサービスの位置づけを日本語で一通り押さえておくなら、Gemini とクラウドの全体像を扱う次の一冊が手がかりになる。

申込から認定までの流れ — CM Connect・Pearson・Google Skills

申込から認定までの流れ — CM Connect・Pearson・Google Skills

申込から認定までは、三つの仕組みを順に通る。申込と結果の通知は CM Connect、選択式の配信は Pearson、ラボは Google Skills だ。2026年10月時点の公式資料に沿って並べると、次のようになる。

  1. CM Connect でアカウントを作る。初めて受験する人は新しいアカウントを作る。Pearson のアカウントは別に作らず、試験には CM Connect から入る
  2. 11月2日以降に、CM Connect で一般受験を申し込む。オンライン監督(自宅や職場)か、テストセンターかを選ぶ
  3. 11月中旬以降に、Pearson で選択式を2時間受ける。予約には、受付や同意書の確認などのための15分が加わる
  4. 7〜10営業日で、正式な結果が CM Connect に届く
  5. 合格していれば CM Connect の案内に従い、Google Skills でこの試験のためのラボを2か月以内に終える
  6. 選択式とラボの両方に合格して、Google Cloud Certified – Professional Agentic Architect に認定される

申込の前に確かめておきたいのが、氏名の表記だ。申込の手順のページは、CM Connect の氏名を政府発行の写真つき身分証と一致させ、Pearson で予約するためにローマ字で登録するよう求めている。アカウントを作る時点で身分証の表記に合わせておけば、申込の段階で迷わずに済む。

流れを見て分かるとおり、認定されるのは選択式を受けた日ではなく、ラボにも合格した後になる。会社の評価や案件の時期に合わせて認定を取りたい人は、選択式の日付から逆算するのではなく、ラボを終える日から逆算して受験日を置く必要がある。

Google Cloud 認定の中での位置づけ

Google Cloud 認定の中での位置づけ

Google Cloud の認定は、Foundational・Associate・Professional のレベルに分かれる。2026年10月12日時点の認定の一覧では、Foundational が Cloud Digital Leader と Generative AI Leader の2種、Associate が Cloud Engineer、Google Workspace Administrator、Data Practitioner の3種、Professional が10種だ。

Professional の10種は、一覧の並び順で Agentic Architect (Beta)、Cloud Architect、Cloud Database Engineer、Cloud Developer、Data Engineer、Cloud DevOps Engineer、Cloud Security Engineer、Cloud Network Engineer、Machine Learning Engineer、Security Operations Engineer である。

一覧は Professional を「Validates key technical job functions and advanced skills in design, implementation and management of Google Cloud products.」と説明する。Google Cloud の製品の設計・実装・管理に関わる職務と、高度な技能を確かめる段階という位置づけだ。Agentic Architect はその最新の認定で、一覧にはまだ「(Beta)」の表示が付いている。

他の Professional 認定と並べると、Agentic Architect の違いが見えやすい。ここでは Professional Cloud Architect と比べる。

項目Professional Agentic Architect(一般受験)Professional Cloud Architect
選択式の時間2時間2時間
料金$200$200
問題数公表されていない50〜60問
言語公表されていない英語・日本語
有効期間1年2年

時間と料金は同じで、有効期間は半分の1年になっている。加えて、Agentic Architect では選択式の後に実技ラボがあり、手を動かす部分が認定の条件に入っている。ただし、Google Cloud の他の認定に同じ形式のものがあるかどうかは、この記事では確かめていない。そのため、初めての形式かどうかは言えない。

Google Cloud 認定の階層と、Foundational の二つの認定については Google Cloud 認定 入門 2026 — AWSの次に学ぶクラウドと認定ロードマップ(2026-06-22 公開) で整理した。そちらは2026年6月時点の情報で書いており、Agentic Architect は扱っていない。有効期間などの値は、Agentic Architect については本記事の値を使ってほしい。

準備の仕方を決める4つの性質

準備の仕方を決める4つの性質

出題範囲と形式を並べると、準備の仕方を左右する性質が四つ見えてくる。

一つ目は、新しい製品が多いことだ。試験ガイドは Agent Runtime と Agent Search の2つについて、旧名を添えて改称を明記している。さらに、認定の一覧ページの冒頭には、Google Cloud Next ’26 で発表された製品の更新に合わせて試験を改訂している、という告知がある(Agentic Architect に限った話ではない)。名前や機能が変わり続ける範囲では、少し前に書かれた解説記事や、AI が学習した知識が古くなっていることがある。

二つ目は、実技ラボがあることだ。選択式に受かっても、稼働中のクラウド環境で手を動かすラボを終えなければ認定されない。読んで覚えるだけの準備では、第2部で止まってしまう。

三つ目は、設計の判断を選択式で問うことだ。認定ページは、第1部が評価するものに「system design choices」を挙げている。用語の定義を知っているかより、条件に合う構成を選べるかを見ようとしている、と読める。人物像の「信頼性・性能・費用・セキュリティ・拡張性を考えながら」という言葉も、同じ方向を指している。

四つ目は、資料が英語であることだ。ベータは英語のみで、試験ガイドも英語版だけだ。日本語の公式資料もあるが、後で見るように英語版と食い違う箇所がある。

AI で準備する6つの方法 — 性質ごとの使い分け

AI で準備する6つの方法 — 性質ごとの使い分け

四つの性質に合わせて、AI を使った準備の方法を六つに分ける。どれも「AI に聞いて覚える」ではない。公式資料か、手元で実行した結果を、AI の答えの確かめ先に置いている点が共通している。

方法主な領域対応する性質何をするか
照合全体(28項目)新しい製品が多いAI の説明を公式ドキュメントと突き合わせ、古い名前や存在しない機能を直す
手元で書く第3領域(約33%)実技ラボがある手元の PC でエージェントをコードで書いて動かす
手元で評価する第4領域(約22%)実技ラボがある自分のエージェントに評価を回し、評価が何を見ているかを確かめる
手元で設定する第2領域(約17%)実技ラボがある手持ちのコーディングエージェントに MCP サーバーなどを設定して動きを見る
設計案の採点第5領域(約15%)と第1領域(約13%)設計の判断自作の設計課題に AI の案を出させ、公式資料から作った採点表で採点する
英語の資料の読み方全体資料が英語英語版を正とし、日本語は公式の訳だけを使い、英語のまま読む練習をする

照合 — AI に聞く前に公式資料を渡す

出題範囲の製品について AI に説明させると、学習した時点の知識で答えが返ってくる。改称が続く範囲では、その答えが旧名のままだったり、いまは無い機能を含んだりすることがありうる。そこで、AI に説明させる前に試験ガイドと該当する公式ドキュメントを渡し、返ってきた説明を一行ずつ公式の記述と突き合わせる。

照合の結果は、28項目について「英語の名前・旧名・何をするものか・公式ドキュメントの URL」を並べた自分用の対訳表にまとめておく。この表は、残りの五つの方法すべてで使える。表を作る作業そのものが、出題範囲を一周する作業にもなる。

手元で書く — 3割強を占めるカスタムエージェント

第3領域は約33%で、5領域の中で最も大きい。コードでエージェントを設計し、企業の業務知識を組み込み、複数のエージェントを調整する範囲だ。対象ツールの1番目にある Agent Development Kit(ADK)は Apache 2.0 のライセンスで公開されており、手元の PC に入れてエージェントを書ける。

AI にコードの下書きを書かせるのはかまわないが、目的はコードを手に入れることではなく、第2部のラボと第1部の設計の選択に備えることにある。書かせたコードを自分で動かし、ツールの呼び出しや複数のエージェントの順番が意図どおりに動くかを確かめる。動かなかったら、その理由を AI に説明させる。説明を読むだけで終わらせず、直したコードをもう一度動かすところまでを1回の練習とする。

ただし、手元の練習は実技ラボの代わりにならない。ラボは Google Skills の稼働中のクラウド環境で行うもので、出題範囲には Google Cloud のプロジェクトが無いと使えないものも含まれる。たとえば ADK の公式ドキュメントによると、Agent Registry は Google Cloud のプロジェクトで API を有効にして使う。手元でできることとクラウドが要ることを分けて表にしておくと、ラボの前に何を読んでおくべきかがはっきりする。

手元で評価する — 評価が何を見ているかを確かめる

第4領域は約22%で、開発中と本番のエージェントの評価と、本番の負荷に合わせたデプロイと拡張を扱う。対象ツールにも Agent evaluation が入っている。

評価の練習で大事なのは、評価の点数を出すことより、評価が何を見て合否を決めているかを知ることだ。まず、自分で書いたエージェントに対して、期待する応答とツールを呼ぶ順番を書いた正解のデータを用意し、評価を回す。次に、わざと壊したエージェント(ツールを呼ばない、順番を入れ替える、など)にも同じ評価を回し、評価がその壊れ方を見つけるかを確かめる。見つけられなければ、その評価は壊れ方を区別できていない。こうした陰性対照を置く考え方は、4.1 の開発中と本番の評価を読むときの土台にもなる。

AI はここで、正解のデータの下書きを作る役と、評価の結果を読み解く役に使える。とはいえ、正解のデータを AI だけに書かせると、AI の思い込みがそのまま正解になってしまう。期待する応答は自分で決め、AI にはあいまいな依頼やツールが失敗した場合のような境界の例を増やす手伝いをさせる、という分担がよい。

手元で設定する — コーディングエージェントを仕事の流れに合わせる

第2領域は約17%で、2.1がコーディングエージェントを効果的に使うこと、2.2が企業の仕事の流れに合わせてカスタマイズすることだ。2.1には例として Antigravity と Claude Code on Google Cloud が挙がり、対象ツールには Antigravity (CLI, SDK, App)、Model Context Protocol (MCP) servers、Skill Registry が入っている。

この領域は、手持ちのコーディングエージェントで設定を実際に書いてみるのが早い。作業用の空のフォルダを用意し、MCP サーバーをつなぐ、決まった手順をまとめて呼べるようにする、といった設定を一つずつ加え、何が変わったかを記録する。設定ファイルを自分で書いておくと、試験ガイドの項目名を読んだときに、どの設定のことかを手を動かした記憶と結びつけて読める。

注意したいのは、試験ガイドが挙げる Antigravity と、手持ちの道具が同じとは限らない点だ。手持ちの道具で設定を覚えたら、Antigravity の対応する機能は公式資料で確かめ、名前の違いを照合の対訳表に足しておく。

設計案の採点 — 権限とガバナンスを採点表で確かめる

第5領域は約15%で、5.1がエージェントのセキュリティとガバナンスの設定、5.2が安全な振る舞いと実行の実装だ。28項目には、Agent Gateway、Agent Identity、Auth Manager (OAuth 2.0)、Model Armor、Sensitive Data Protection も含まれている。

この領域と第1領域(約13%、ローコード)は、手元で動かして確かめにくい。そこで、試験の問題ではない自作の設計課題を用意し、AI に設計案を出させ、公式ドキュメントのベストプラクティスから作った採点表で採点する。採点表は、権限の範囲、外部への呼び出しの認証、人の承認を挟む操作、といった観点ごとに、公式資料のどの記述で確かめるかを決めておく形にする。

AI の設計案が採点表のどこで点を落とすかを数えると、自分の採点表の穴も見えてくる。AI が抜かした観点を自分も抜かしていないか、採点表を作り直すたびに確かめるとよい。第1領域のローコードの道具は、公式資料で要点を押さえ、設計課題の中で「ローコードで足りるか、コードが要るか」を判断する問いとして採点表に入れておく。

英語の資料の読み方 — 英語版を正にする

日本語の公式資料はあるが、英語版と同じとは限らない。たとえばベータの問題数は、英語の認定ページが「~80 multiple choice questions」(約80問)と書くのに対し、日本語の認定ページは「最大 80 問」と書く。「約」と「最大」では意味が違う。また、この認定の FAQ の日本語版には AI 技術で翻訳した内容を含む場合があるという注記があり、料金の説明でも英語の「matching」(同じ)が「同じ程度」と訳されている。

そこで、準備の資料は英語版を正とし、日本語は認定ページの公式の訳(人物像と五つの能力)だけを使う。日本語で理解したい箇所は、AI に英語の原文と一緒に訳させ、訳の根拠になった原文の語を必ず並べて出させる。訳だけを読んで覚えると、上の「約」と「最大」のような違いを見落とす。

一般受験の言語は未公表だが、英語で実施される場合に備えて、英語のまま読む練習も入れておく。英語が第二言語でも時間は延長されないので、英語の文を読む速さが時間の配分にそのまま響く。AI には自作の設計課題を英語で書かせ、それを英語のまま読んで答える練習に使える。

「手元で書く」と「手元で評価する」に入る前に、ADK と A2A でエージェントを組み、運用まで考える流れを日本語で通して読んでおくと、試験ガイドの第3・4領域の言葉が具体的になる。

4週間の計画 — 10月19日から11月中旬まで

4週間の計画 — 10月19日から11月中旬まで

公開日の10月19日(月)から、一般受験の開始見込みの11月中旬までを、月曜始まりの4週間に区切る。繰り返しになるが、この4週間は日程から引いた当サイトの区切りで、Google が推奨する学習期間ではない。推奨経験に届いていない人は、受験日を後ろにずらし、同じ順番で進めればよい。

週期間到達点主に使う方法
110/19〜10/25試験ガイドと FAQ を英語で通読し、28項目の対訳表を作る。公式例題で問題の形式を知る照合、英語の資料の読み方
210/26〜11/1第3領域をコードで書いて動かす。CM Connect のアカウントを作り、氏名の表記を身分証に合わせる手元で書く
311/2〜11/8申込が始まったら言語と形式を認定ページで確かめて申し込む。第4領域の評価と第2領域の設定を手元で試す手元で評価する、手元で設定する
411/9〜11/15第5領域と第1領域を設計課題で採点し、抜けを対訳表と採点表に戻す。英語のまま読む練習を仕上げる設計案の採点、英語の資料の読み方

この順番には理由がある。照合を最初に置くのは、28項目の名前と旧名が定まっていないと、AI に書かせるコードも採点表も古い名前のまま作られてしまうからだ。手元で書く練習を2週目に置くのは、出題の最大の領域であるうえ、3週目の評価がその書いたエージェントを材料にするからである。採点を最後に置くのは、前の3週間で集めた公式ドキュメントの記述を、採点表の根拠として使えるからだ。

時間の配分は、比率に合わせるのが基本になる。第3・4領域で約55%を占めるので、4週間の練習時間の半分強をそこに充てる。一方、第1領域のローコードは約13%と小さく、手元で再現しにくいので、公式資料を読んで要点を押さえるところまでにとどめる。

受験日は、申込が始まってから決める。受験開始の日付は2026年10月時点で公表されていないので、4週目の終わりに受けられるとは限らない。開始が後ろにずれた場合は、4週目の内容を繰り返して弱い領域を回す。そして、選択式の後にはラボがある。合格の通知から2か月の期限があるので、受験の後もラボのための時間を空けておく。

手元の練習でできないこと、この記事で言えないこと

手元の練習でできないこと、この記事で言えないこと

まず、当サイトはこの試験を受けていない。ベータには参加しておらず、一般受験もまだ始まっていない。本記事は2026年10月12日に取得した公式資料に基づく、2026年10月時点の情報である。一般受験の言語・問題数・ラボの所要時間・継続学習の中身・試験ガイドの改訂は、申込開始(11月2日)と受験開始(11月中旬)の後に変わりうる。当サイトは申込開始と受験開始の後に、この記事を公式ページと照らして更新する。

次に、試験の内容は機密だ。規約の §3 は、試験の問題・答え・試験に関するやりとりを Google の機密情報と定めている。§5(a)(vi) は覚えた内容も含めてブログなどで共有することを禁じ、§5(a)(vii) はネットやブログで見つけた無許可の試験内容を使うことも禁じている。準備には公式の資料を使い、受験者の体験記のうち問題の内容に触れたものは読まないほうがよい。公式例題は、認定ページの「Review sample questions」(日本語版では「模擬試験を受ける」)から開ける。本記事では、その問題文を引用しない。

最後に、手元の練習は実技ラボの代わりにならない。ラボは稼働中のクラウド環境で行うもので、そこに Google Cloud のアカウントや課金の設定、追加の費用が要るかどうかは、2026年10月時点の公式資料に記載が無い。$200 のほかに費用がかかるかどうかは、現時点では言えない。手元で書く・評価する・設定する練習は、ラボで迷わないための下地であって、ラボの内容を先に知る手段ではない。

まとめ — 今日やること

まとめ — 今日やること

Professional Agentic Architect は、AI エージェントを Google Cloud で設計し、コードで作り、評価し、安全に運用できることを、選択式と実技ラボの2部で確かめる認定だ。一般受験は選択式2時間・$200で、正式な結果は7〜10営業日で届き、合格後2か月以内にラボを終えて初めて認定される。有効期間は1年で、他の Professional 認定の2年より短い。出題は約33%がカスタムエージェント、約22%が評価とデプロイで、対象ツールは28項目ある。

今日やることは三つだ。

  • 試験ガイドの PDF を英語のまま通読し、5領域と28項目を把握する
  • 認定ページの公式例題で、問題の形式を知る
  • CM Connect のアカウントを用意し、氏名の表記を身分証に合わせる

申込は11月2日から始まる。

資格の準備に AI を使う型は、G検定とは何を証明する資格なのか — 現在地の数字と、AI で学ぶ40日の全体設計(2026-09-28 公開) でも組んだ。G検定は用語と概念の対応を問う試験なので、方法もシラバスの取り込みや反復に寄せた。Agentic Architect は出題範囲が新しく、実技ラボがあるので、方法の中心が公式資料との照合と手元での実行に移る。資格が変われば、AI の使い方も資格の性質に合わせて組み替える必要がある。

参照

ブラウザだけでできる本格的なAI画像生成【ConoHa AI Canvas】
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